癌の対処療法
風邪を引いたら、風邪薬を飲む。
その風邪薬は、風邪を治すものじゃなく症状を抑えるもの。
いわゆる対処療法。
という認識は一般的にあると思う。
だからまた風邪を引いても、そりゃそうだろうと思うのも一般的な認識。
癌治療も同じ対処療法のはずなのに、2度目以降に診断が下ると
再発
という言葉になってしまう。
風邪だと「再発」とは言わないのに。
なんにせよ、そもそも「再発」なんてものは無い。
癌細胞は、手術して取り除いたとしても、浸潤していれば全身に散らばっている全身病。
目に見えない種(癌細胞)が芽を出していないから診断が出ないだけで、芽がでたら「再発」という扱い。
癌細胞は健康な人でもあるものだから、100%無くすってことは不可能。
だから三大療法をした人であっても、再発する可能性はみんなあるということ。
あくまで可能性。再発しない人もいるかも知れないし、する人もいるかも知れない。
マクロファージ軍団がどこまで癌細胞を飲み込んでくれるか、その人の免疫力も関係してくる。
同じ人であっても、満ち足りている時とストレスフルな時では、免疫力は月とすっぽんほどの差がある。
こういう説明を医師がしてくれたらいいなと思ってしまう。
そうすれば、治してくれるに違いないと医師に依存することも減るだろうし、再発した場合の納得も多少なりともできる。
対処療法なのに「完治した」と思い込み、あとから突き落とされる気持ちになることは、当事者にとってはかなりきついものだから。
心と身体
なぜ癌になるか。
私は癌になって3年目くらいから、そのようなことを考えるようになった。
きっかけは、カウンセリング。
癌になったことがきっかけではなく、自分の生きづらさをなんとかしたくて3年間受けている。
話をしていく中で、癌になることで自分が納得出来ることがあったのでは?または、癌にならざるを得なかったのでは?と思い始める。
そして4年目の冬、癌の治療に取り憑かれたようになっている自分を指摘され、癌を治すことに執着している自分を知った。
癌患者であれば、治したいと思うのは当然だろうけど、私はそれが行き過ぎて、効果があるかどうか分からない代替療法にまで夢中に。
もう周りが見えていない状態で、朝から晩まで、癌についてネット検索ばかりしていた。
カウンセラーさんの言葉で目が覚め、それから数ヶ月経ち
振り返ると癌治療にとらわれていた頃が、いちばん身体の状態が悪かったという事実。
縮小していた腫瘍が大きくなり、どうしようとパニックになり、余計に代替療法にのめり込むという悪循環だった。
それから抜け出た今、身体の状態は落ち着いている。
これらの自分自身の経験から、心と身体は密に繋がっていることを確信した。
少しは冷静になった今、なぜ癌になったかを改めて自問して行きたいと思っている。